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苦痛に苛まれる暇も無く、アノンが次いで振るう左右両刃の軌跡に襲われるフィフィ。
止めきれないと悟るや、全力で光刃を回避していく。
アノンの様に、細胞レベルの干渉は行っていないが、フィフィも肉体強化の術は心得ていた。
その副次効果によって、反射速度の向上を得られる。
だがそれでも避けきれず、頬と肩を切り裂かれた。
横薙ぎの斬撃を腹部に受けるも全力で後退する。
このままでは、致命傷を受けるのも時間の問題だ。
フィフィは、1つの賭けに出る。
それは自分には不可能だと諦めた能力の使用。
直ぐ様追いすがり、アノンは再び光刃を振るってくる。
それを、フィフィは紙一重で回避する。
更に1撃2撃、続く光刃の閃きを確実にかわした。
その後の斬撃も、回避不能の軌跡さえ『盾』で受けれる刹那の間を巧みに利用し、かわし続けた。
そして、無情に振るわれ続ける光刃を、フィフィは腕の周囲に同様の力場を形成し、弾いた。
それがきっかけとなり、2人は再び距離を置いた。
「へぇ、やるじゃないか」
「…うっ、はぁ、はぁ…」
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