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呼吸する間も与えないアノンの攻勢から脱し、肩で息をするフィフィ。
もともと彼女は一科学者に過ぎない。
様々な経験から、状況で身がすくむ事は無いものの、戦闘行為の経験が多いとは言えない。
それが何より、アノンとの絶対的な差だった。
そんなフィフィが、アノンの攻撃を避けられる理由。
ESP(超感覚)に該当する超能力、『エクストラリアクション(超反応)』を行使した為だ。
これは、人や動物が持つ第六感を、極限まで高める能力。
この『エクストラリアクション』を使用すれば、周囲のあらゆる物の動き、気配を鋭敏に知覚する事が出来る。
極めて優秀だが、反面、リスクも伴う。
周囲から得られる情報が、あまりにも膨大なのだ。
それは、人の脳では処理仕切れない。
よほどの感性の持ち主でなければ、『超反応』のコントロールは難しい。
今フィフィが使用出来るのは、幸か不幸か、ここが『オーディン』の被災地だからだ。
他には何も無い空間だからこそ、『超反応』の使用が可能だった。
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