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「侮っていたな。
お前の力を」
「あたしは、この『干渉力』で…
世界を救うわ。
今度こそ、人類を導く可能性を示してみせる。
だからアノン。
あたしは死ねない。
例え、貴方が相手でも」
アノンはその言葉に眉根を寄せ、浮かべていた笑みを消す。
「この状況をどうにか出来るつもりでいるのか?
エリシャから施しを受けた力で、僕とエリシャと同等を語るなよ。
軽く撫でた程度で、僕の実力を測ったつもりか?」
アノンの纏う空気が変わる。
光刃を構え振るった刹那、アノンはフィフィの真横で光刃を薙いでいた。
首筋を狙った殺意の刃を、『超反応』で感知し、短距離『転移』で回避するフィフィ。
一定距離から先の座標指定は無効化されるが、限定的な範囲内での座標指定が可能なのは、『ファング』を相手に確認済みだった。
だが、この回避方法は、アノンに対してあまり有効ではなかった。
10メートル程先に出現したフィフィへ、アノンの放った幾数本の光線が、弧を描いて強襲する。
眼前に迫ったそれを、フィフィはかわしきれなかった。
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