探求する可能性

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そこは、この世の摂理から外れた空間を思わせた。 崩れかけた岩塊、空中に舞った枯れ葉と微細な粒砂。 今居る先の空間が『制止』していた。 光の差す加減すら、周囲と異なる。 「なんだこりゃ? TAW(時間軸変動)の作用か?」 「いや、それにしては安定し過ぎてる。  境界線が曖昧だしな」 「…また分からん現象か。  予想はしてたけどな」 その空間にミリアが近づくと、またもや変化が起こる。 静止画の様に停止していた世界が、途端に息吹きを吹き返した。 劇的に変化した訳ではない。 動く筈のものが、当然のように自然現象を取り戻しただけ。 『制止』したその風景を知るものなら、大きな変化に映るかもしれないが。 「何でミリアが近づくと、何か起きるんだ?」 男がいぶかしむが、 「分かんないよ。 …でも、この場所は、何かきっかけを求めていたのかも。  それがたまたま私だった。  そう考えるのが自然かもね」
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