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今まさに命を狙われているのだ。
この躊躇いは命取りで、無意味なものだ。
それでも、アノンと分かり合いたい自分がいる。
その感情を否定出来ないし、したくはなかった。
だからこそ、それを成す為にも、今は。
フィフィの表情が変わる。
アノンはそれを見逃さず、鼻で笑う。
見下した笑み。
だがそれは、直ぐにも驚愕に取って変わる。
先程と変わらず、アノンの光線を『転移』で回避するフィフィ。
アノンはその転換位置を狙い撃つ。
フィフィの出現と、ほぼ同時に命中する筈の光線が空を切る。
アノンに、動揺している間は無かった。
光線は次々と『転移』を使用するフィフィに回避される。
連続して使用する事によって、狙い撃ちを避けるフィフィ。
そしてフィフィはアノンの目の前に出現し、集約した物質破壊エネルギーを叩き付けた。
アノンは視認可能な、半身をカバー出来る光盾を形成し、それを防いだ。
しかし、止めきれなかった衝撃エネルギーを受けて後方に弾かれるアノン。
追いすがろうとするフィフィへ、アノンは自身を周回していた光線を全弾解き放った。
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