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『転移』して斬り掛かるアノン。
フィフィは『超反応』でアノンの出現位置を感知、新たに生み出した『エンゲージ』から視認可能な光盾を発生し、光刃を受け止める。
今度は防いだ。
それはアノンの殺意の凝縮した刃、その密度と拮抗している事を意味する。
「どうしてお前が…」
歯噛みするアノンが、小型の『エンゲージ』を『転移』で呼び寄せフィフィを包囲し、不可視の力場で包み込む。
自分と拮抗するフィフィに対して抱く感情は、猜疑心。
アノンとフィフィとでは、『干渉力』に対しての経験が違い過ぎた。
だが、蓋を開けて見れば、フィフィの実力はアノンに近かった。
これが才能と呼べるものなのか。
「なんで、お前ばかりが…」
アノンの振るう光刃を、ことごとく受け止めるフィフィの光盾。
「お前はそうやって、何でも手に入ると思ってるのか。
それが当たり前で、そこに在るものだと?」
「何を…」
「何でお前ばかりが、エリシャの寵愛を受け続ける!
僕だって、彼女が必要だった!」
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