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至近距離からの射撃に対応出来ず、フィフィは手足を貫かれる。
「うあっ」
堪らず怯んだフィフィにアノンは接近し、細首を絞め上げ地面に叩き付けた。
その衝撃を物語る様に、地面が抉れ陥没する。
「気に入らない…
お前の存在そのものが!
『相互干渉』を受け続ける度に、虫酸が走る。
…クハハ。
だがそれももう、ここまでだ」
待ち望んだ瞬間を前に、アノンは笑う。
「お前のしてる事は、全て無駄なんだよ。
だいたい『オーディン』の残象を消したところで意味は無い。
再び使われるのも、時間の問題だからな。
それに、『メサイア』もだ」
首を絞められ苦悶に歪むフィフィの表情が一層陰り、困惑の様相を見せる。
それを前に、アノンは醜悪な笑みを持って悦に浸る。
「クク…
『ジャシアン』の創設が国家群と絡んでいるのは知ってるだろ。
まさか、『ユミル』が無関係だとでも?
意外と思慮が足らないな。
お前の行為は、汚れた政治に手を貸しただけだ。
そして『メサイア』が確立した時点で、『ジャシアン』は無用って訳だ。
ハイエナの様に漁る、浅ましい奴等さ」
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