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状況を推察していると、離れた位置に何かを発見する。
3人は顔を見合わせ、正常を取り戻した空間に歩を進めた。
「何で、こんな所に…?」
発見したのは、人だった。
それもかなり若い女性。
艶やかな赤い頭髪が印象的だ。
意識も無く地面に横たわるその女性は、またも異質で不自然に見える。
「この辺りがあのドームの中心の筈だ」
これまでの憶測が正しければ、黄金色のドームの存在理由は、彼女か。
「またえらいもん見つけちまったな。
どうする?」
男は困惑が隠しきれない様子だ。
軽い口調の割に挙動が落ち着かず、2人の反応を妙に気にしている。
「このまま置いて行くわけにはいかないだろ?
我々で保護するぞ」
眠れる女性に歩み寄る、中性的な人物。
「お、おい。
大丈夫かよ?」
何が起こるか分からない今の状況を鑑みれば、彼の警戒は無理からぬところ。
「問題無いだろ。
危険があればミリアが警告してくれるさ。
な?」
「ミフユ。
私の『感応力』をそんなあてにされても…」
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