願う、その心のままに

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脅威は去っていない。 まだ救われた訳では無い。 だが全員に、この場からの生還を確信させる何かが在った。 奇跡の、フィフィ・ロザリナ・シルバーツの降臨に併せ、動きを止めていた黒銀の獣が動き出す。 長爪を閃かせ、フィフィに踊り掛かっていく獣の群れ。 包囲を狭める様に襲い来る獣を、フィフィは空中で身を翻し、銀の炎を全方位に舞わせ次々と粒子に還していった。 残る数体が距離を空け、フィフィに襲い掛かるタイミングを量る。 それを見て取ったフィフィは、『転移』した。 1体の背後に現れたフィフィは、その獣を、範囲を抑えた分子崩壊の炎で消し去る。 残った2体が正面と上空から迫ってきた。 上空の獣の『存在位置』を固定、空中にその動きを止め、正面から来た獣へ、不可視の衝撃波を叩き付けて吹き飛ばす。 ボディーが陥没し、勢いのままに壁に叩き付けられた獣に光弾を放ち破砕、空中に固定していた最後の1体を、光の膜で包み込む。 フィフィが開いていた手の平を握ると、球体と化した光の膜が中心点に収束、内側の獣を消去した。 凶悪なアンドロイドを瞬く間に始末したフィフィは、小型の『エンゲージ』をいくつも生み出す。
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