時差

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時差なんて大したことないと思ってたんだよ メールってすごいね なんて感動してた夜もあったよね でも、やっぱり ひとりでの美術館は淋しくて、 ひとりで飲む 本日のコーヒー もあんまり楽しくはないみたい 可愛いものを 可愛いって 美味しいものを 美味しいって すぐあなたに伝えられなくて どんどんどんどん歯がゆくなって あなたに聞いてもらえなかった言葉は 私の体の中に 残って、 どんどんありきたりな記憶になって 私がこんなふうに 思っている夜中、 あなたは 快晴の空の下で、 新しくできたお友達と笑いあってるのかもしれないんだね そんなこと考えたら 電話もできなくなっちゃった
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