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《夜流から…?ノロケかな。》
そんな事を思いながら私は受信ボックスを開く。
『ちょっと聞いてっ!やばい!!俺、昨日告っちゃった…;;』
「はぁ…。やっぱりなぁ…」
何て返事を返せば良いのか分からず、結局返事は返せなかった。
放課後、何故か夜流は教室の扉の前にいた。
《夜流は隣のクラスなのに…誰か待ってるのかな…あ~…秘羽か。》
しかもソワソワしている。
《…!そうだ!ちょっとからかってやろ♪》
そう考えた私は早速夜流の元へ行った。
「夜~流♪秘羽のこと待ってるの?」
「ああ。…何だよ?からかいに来たのか?」
夜流は私の考えてる事なんてお見通しって目で見る。
「なぁんだ。バレちゃったかぁ!つまんないのっ!まぁいいや!緊張しすぎてドジんなよっ!?」
「しっ…しねぇよ!//」
こんな他愛のない話しもこれからも続くって本気で思ってた。
だって普通はそうでしょ?
誰が気付くだろう…
こんな些細な幸せさえも簡単に壊れてしまうなんて。
《願い》はただのネガイで…叶う事なんてない。
ただの《幻》。
それからというものの、夜流は毎日秘羽を迎えに来て一緒に帰って行く姿を見る事が私の日常の一部になっていた。
そんな苦痛な毎日の中に一筋の光が満ちた。
でもそれは今よりも苦しむことになる道に過ぎなかった。
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