仲村 烈

2/18
前へ
/440ページ
次へ
    冷たい雨は、    いつか止むんだよ。 そう教えてくれたのは 誰だったっけ‥? 闇夜 俺の我が家はすごく複雑だった 父親の連れ子の兄貴 母親の連れ子の姉貴 そして その二人の間に生まれた俺 兄貴からは嫌われ‥てたと思う それに姉貴も小さい頃は酷かった 俺をただの邪魔者だとしか扱ってなかったし      邪魔者 のレッテルは小さい頃からのトラウマだった。 「そこ邪魔なんだけど」 なんて、 ビクビクしていた俺がいた だけど、 いつからかそのトゲは 丸くなっていた。 まだ俺が小学校にあがったくらいで兄貴がいなくなった。 おやじは「兄貴は自立したんだよ」って寂しそうに言ってたけど、それから兄貴が家に帰ってくることがなかった。 兄貴にとっては 自分の家じゃなかったのだろう、と中学生になってから悟った。 けど、実は言うと兄貴の思い出が少ししかない俺は‘疾風’て親友に会うまで兄貴の存在を忘れてた。 家でも誰も触れないから‥ 俺も小さいながら言っては駄目だと悟っていた。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加