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ー真夜中に鳴る携帯電話の音で目が覚めた。
…誰だよ、こんな時間に
眠い目を擦りながら、携帯電話に手を伸ばす。
ー馬場真姫ー
…真姫さんか…
…でも、こんな時間に、何?
「…真姫さん?」
彼は眠そうに電話に出る。
…しかし、応答はない。
「…真姫さん?」
もう一度繰り返すが、やはり応答はない。
ー一体どうしたんだろう?
しばらく耳を澄ましていると、彼女の喘ぎ声が聞こえてきた。
ー心に不安が広がる。
「真姫…さん?」
はぁ…はぁ…はぁ…
「どうしたの?」
すると彼女は、ようやく口を開いた。
「…助けて…」
「…え?」
「…殺される…」
彼女は、恐怖に震えた小さい声で呟いた。
…何だって…?
ー殺 さ れ る ?
しばらくすると、
電話の向こうから、
闇を切り裂くような鋭い悲鳴が聞こえてきた。
ー全身に鳥肌が立ち、
不安と恐怖が頭の中を駆け巡る。
「真姫さんっ…!?一体どうしたの!?」
しかし、
電話の向こうから再び声が聞こえてくることはなかった。
彼は急いで靴を履くと、転びそうになりながらも外へ飛び出していった。
ー彼がいなくなった部屋には、
幼い少女のけたたましい笑い声が響いていた。
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