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【シン.ルリの家】
ガチャ..バタン
(玄関のドアを開けて閉めた音)
〔シン〕
「まったくあの二人は(ナスカ.ファーベン)急に人が変わって....あ、思い出しただけで身震いが....」
〔ルリ〕
「お帰りなさい」
〔シン〕
「あれ?ルリ、早いな
病院はもう行って来たのかい?」
ルリはいつもより少し明るく答えた
〔ルリ〕
「うん☆今日は早く診察が終わったんだ♪
お!今日はいつもより良いお肉じゃん、よし!ちょっと待ってて
すぐに夕飯のしたくするから♪!」
〔シン〕
「ん?ああ..わかったよ...」
シンは違和感を覚えた
ルリはいつもより明るかったが、その表情はどこか...暗い雰囲気だった
.......
いつもより豪華で楽しい夕飯を済ませ、二人は寝る事にした
〔ルリ〕
「それじゃ兄さん、おやすみなさい」
〔シン〕
「ああ、おやすみ」
二人が布団に入って数分後
シンはそっとルリに聞いてみた
〔シン〕
「なあ.ルリ...病院で何かあったのか?.....」
.....................
長い沈黙の中、微かにルリの声がした...
〔ルリ〕
「...兄さん....私......太陽が...見てみたい.....」
それは、シンにとって妹からの
初めての願い事だった
そしてシンはその一言で ルリの命は残り短い事を悟ったのだった
【朝早く】
〔シン〕
「ルリ起きろ!朝だぞ、起きろ!」
ペシペシ
〔ルリ〕
「ん..んンンンンン....何?まだ早いんじゃない?」
ルリはしかたなく起き
まだ目覚めきってない目を擦り
大きく背伸びをした
そして目を開けるとそこには二人分の旅仕度がととのっていた
〔ルリ〕
「え?..兄さん..これは....」
驚くルリにシンは優しく手を差し出しながら言った
〔シン〕
「行こう..太陽を捜しに...ルリの願い事....叶えてあげる」
シンの優しく・力強い言葉にルリは、差し出されたその手をそっと握ったのだった
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