平穏な日々に....

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ピスカ村から旅に出るのは 許されない事である ピスカ村に限らずこの時代の村全てにとって狩人と教師は掛け替えのない宝だからである それゆえに村では出入り口は見張りが立てらるている 見張りには 大獣の侵入を防ぐ役割と 村を出ていく者がいないか見張る役割があるのだ 〔ルリ〕 「って事をわかっているの?」 ルリの手を引きながら 村人に見つからないように裏道を使いながら出口に向かっているシンに聞いた 〔シン〕 「わかっているよそんな事、だから裏道を使っているんだろ」 〔ルリ〕 「でも...」 少し思い悩んだ表情をするルリ 〔ルリ〕 「私の生徒達にお別れもしてない....」 〔シン〕 「ルリの気持ちもわかるけど、それはできないよ。 ルリだって解るだろ」 〔ルリ〕 「解るけど...」 そうこうしてる間に村の出口が見えてきた 〔シン〕 「いいな!?行くぞ!」 〔ルリ〕 「う.うん...」 二人は何故か見張りのいない出口をとびだした ザッ!!! (外に飛び出し止まった音) 〔シン〕 「なっ!?」 二人が飛び出した出口の先には、 狩人十人が出口を囲うように立っていた そして その中心でチヒロが二人の行く先をはばんでいた〔チヒロ〕 「・・・・・・・」 〔シン〕 「チヒロ!行かせてくれ!俺は、ルリの願いを叶えてやりたいだけなんだ!!」 チヒロは、ゆっくりと息を吸った 〔チヒロ〕 「狩人達!シンとルリを捕らえろ!!」 チヒロの号令で 狩人達が二人に 向かってきた 〔シン〕 「近づくなぁ~~~~~!!!!」 大槍を構えるシン しかし狩人達はその足を止めなかった 〔チヒロ〕 「シン...みんな分かっているんだよ、シンには 人を傷つける事は出来ないって」 近づく狩人達に向けた大槍がカタカタと震えていた それを見たルリは シンの震える手をそっとにぎった 〔ルリ〕 「兄さん..もう...いいよ...」 ルリの言葉を聞いたシンは大槍を雪面に突き刺した 〔シン〕 「っ..クソ!!」 シンとルリは 村を逃げ出した者として 拘束された
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