一章・始まり

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自宅に着いたと同時に電話が鳴った。 「もしもし。」 少年が電話に出ると、 「もしもし?ユキ?今暇?」 電話の相手は同じ学校の友達の桜井 椿(さくらいつばき)だった。 「ん~、まぁ暇って言えば暇やけど…」 「暇だけど?なに?」 「いや…洗濯とかしないといけないし。」 「そんなのは春ちゃんがするでしょ?」 春とは俺の妹の春海の事だ。 「…まぁ、そうだけど。どうせまた買い物の荷物持ちだろ…」 「いやなんだ…いやなら…もういいよ…。」 泣きそうな感じになったので、 「わかったよ!いくよ!」 「それなら、駅前に来てね~ばーいばい。」 プープープー… 電話が切れた。 「…また騙された…」 椿の泣き真似に騙された少年だった。
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