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「改めて今わかった。
俺はミヤとはやっぱりやっていけないって。
俺はこんな手段を使って、人の気持ちを振り回すミヤを心底軽蔑する」
私でさえぞくっとするような冷たい表情だった。
周りの空気さえ重くなった気がする。
底冷えするような表情だった。
相川先生はそんな辻村を見て、一瞬おびえた表情を見せた。
だけどひるまなかった。
「手段は選ばないって言ったはず。私はそれほど正人を愛しているのよ」
やっぱり最後は涙声になってしまっている。
辻村の気持ちが完全に自分から離れてしまった―――
心底自分を軽蔑している―――
相川先生は痛いほどにわかってしまったのだろうと思う。
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