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サワサワと頬を撫でる風がやけにじめっとしていて、生ぬるい―――
雲ひとつない澄み切った青空からは、太陽の光が容赦なく地上に照りつける。
1歩1歩足を踏み出すだけで、体中から汗が吹き出す。
セミが鳴く声が余計に暑さを増長させる。
新学期が始まって1週間がたった。
もう9月になったというのに、この暑さはちっともやわらぐことはない。
私は教科書を詰め込んだ重いかばんを
「よいしょ」
と、気合を入れて持ち直すと、太陽の光を遮るようにうつむきながら学校へ向かう。
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