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「悪いけど俺はミヤの事はもう愛していない」
「・・・正人!!」
「俺が愛してるのは・・・、
コイツなんだ」
辻村はそう言うと、私の右肩を軽くポンと叩いた。
相川先生は糸が切れたかのようにわっと泣き出した。
『大丈夫ですか?』
『何かあったんですか?』
その時他の教師や生徒たちがどっとこちらに近づいてくるのが見えた。
やっと異変に気がついたんだろう。
辻村は立ち上がって、私をかばうように自分から様子を見に来た人たちに近づいていく。
「・・・せ、先生!!」
私は思わず辻村を呼び止めた。
こんな時に呼び止めるべきではないってわかっていたけど、呼び止めずにはいられなかった。
なんだか、
なんだかだけど・・・
辻村が遠くに消えてしまうような気がしたんだ。
もう会えなくなってしまうような気がしたんだ。
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