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「お前たちの言うとおりだと思う。
本日付で辞めることになったっていうのに、説明も挨拶もないんじゃ、みんな混乱するだろうし、非常識だよな。
すまなかった」
辻村はそう言って、頭を下げた。
「辞める原因っていうのは、僕自身の自分勝手な一身上の都合だ。
だけどもう教える過程はほぼ終わっているし、授業内容については大丈夫です。心配しないで下さい」
『授業の事なんて今はいいです!
何で辻村先生が辞めるのか知りたいんです。
相川先生と結婚するからですか?』
驚いたことにそんなストレートな疑問をぶつけたのは、間宮さんだった。
間宮さんの顔が強張っている。
「相川先生とは結婚はしません。
だけど僕が辞める原因は相川先生ではないです」
驚きの声が体育館中に響いた。
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