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他の教師も生徒たちも、体育館中にいる人々が全員驚いたようだ。
辺りはシーンとなった。
「やっと静かになったな」
辻村はにやっとする。
「もうこの際だからちゃんと説明します。
ちょっと長くなると思うし、脱線もするかもしれないけど、まぁ聞いて下さい」
辻村はそう言うと、姿勢を正した。
「前に話したと思うけど、俺と相川先生は大学時代つきあってた。
俺は相川先生にはまってたし、将来結婚も考えてた。だけどあっさりふられてしまって、俺は相当落ち込んだ。
もう恋愛なんてしないって思った。
それ以来女性を本気で好きになんてなれなかった。いつも遊びの恋ばっかりしてたんだ。まるで復讐するかのようにな。
当時はそれでいいと思ってた」
私は思いだしていた。
辻村の本性を知るきっかけだった出来事を―――
保健室の先生の小林先生と辻村がキスしてたのを私が偶然見てしまったんだよね。
しかも小林先生が出て行ってから、「ごちそうさん」って言ったんだ。
いつもの辻村とのギャップに相当驚いたんだっけ・・・
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