◎辻村の決意

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「そのうち俺はずっとそいつの側にいたいって思うようになってた。 そして今までに芽生えたことのない感情が芽生えたんだ。 そいつは見た目よりずっと強い女だけど、やっぱり時々ほろりと弱い。 そして強がるんだ。 無理してがんばりすぎる。 ・・・守ってやりたいって思ったんだ。 久々に人を好きになるって気持ちが俺自身に芽生えた。 もしかしてそれ以上の感情かもしれないな・・・」 そう言って、辻村は一瞬だけ私の方をチラリと見た。 「だけど俺はバカだった。 そんな自分に芽生えた気持ちになかなか気づかなかった。 いや、気づかないふりをしていたのかもしれないな・・・俺は当初その気持ちを押し殺そうとしていたんだ。 打ち消さなければいけないと思ってた。 そんな時に、この学校に相川先生が来て、再会したんだ」 体育館中にいたほぼ全員が相川先生に注目した。 だけど相川先生はポーカーフェイスを崩さず、腕を組んでまっすぐ辻村を見ていた。 「相川先生がこの学校に来て、正直すごく驚いた。しかも彼女は俺とヨリを戻して、結婚までしたいって言う。 夢のような話だと思った。 だけどそれはそいつと出会う前だったらの話だった。 そいつと出会う前だったら飛び上がるほど嬉しい話だtっただろうな。 俺はそいつと出会う前は、相川先生と再びやりなおすことが夢だったんだ。 相川先生を忘れられなかったから」 ふと相川先生の顔をみると、かすかに唇が震えていた。 がんばっていたポーカーフェイスも崩れてしまいそうになっている。
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