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「でもしばらく一緒にいたら、きっと昔みたいな気持ちに戻れるって思った。
正直言うと、相川先生が好きでたまらなかったあの頃の気持ちに戻りたかった。だけど・・・心は動かなかったんだ・・・」
相川先生は唇をかみ締めて、耐えるように目をぎゅっと閉じた。
「やっぱり心の中にはそいつがいたんだ。
でていかせようと思っても、全然出て行かない。
それどころかどんどん存在感が大きくなってくる。
俺は戸惑った。
そしてこの気持ちを決して認めたくなかった。
俺は相川先生と結婚することが一番いいと自分に言い聞かせたんだ」
そして辻村はふと息をついた。
「・・・だけどやっぱり自分の気持ちに嘘はつけなかった」
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