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「・・・だけど、教師も人間だ。
もしかしたら生徒を好きになってしまうこともあるのかもしれないな。
誰かを好きになるっていうのは理屈じゃない。
止めようとしても想いを止められない・・・それが人を好きになるってことだと俺は思う」
その時、辻村の発言に驚いたのか、今までは止めようとしなかった教頭が壇上に上がってきた。
辻村を止めようとしている。
だけど辻村はそれを手で制した。
「・・・すみません・・・教頭先生。
これで最後ですので、せめてお礼だけ言わせて下さい」
辻村は笑顔だったけど、有無を言わさないような笑顔だった。
「こんな結果になってしまって、教職員の方々、それに相川先生、本当に申し訳ございませんでした。
ご迷惑をおかけしてしまいました。
そして何より生徒のみんな本当にすまなかった。
俺は自分が思っていた以上に子供だったと思う。
人に何かを教えたり、指導したりする資格なんてないのかもしれません。
だけど俺はこの学校が大好きでした。
この学校の教師でいられて本当によかった。
これが俺の正直な気持ちです。
みなさん元気でこれからもがんばってください。
本当に今までありがとうございました」
辻村はそう言うと、深く頭を下げた。
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