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「美里、辻村ってあんな奴だったんだね。完全に反対キャラじゃん」
里香が耳元でささやいてくる。
「だけどさ、私は本性の辻村の方が好きかもだな。何かこっちの辻村のほうが人間っぽいじゃん」
その里香の言葉に私はうなずく。
―――私も。
私も辻村のウラノカオの方が好きなんだ。
あのウラノカオは私にしか見せていない顔なんだ。
性格悪くて、
口も悪くて、意地悪で、
かなり子供っぽいんだよ。
だけど、
だけどね。
ぶっきらぼうだけど、何気に優しいんだ。
大好きなんだ。
辻村が大好きなんだよ―――
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