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そんな上の空の状態で授業をやり過ごし、やっと帰りのホームルーム。
担任が来るまで、みんなざわざわと雑談している。
私もいつもは里香と話しているけど、今日はそんな気になれなかった。
里香や真山君は私が一人になりたいのを察してくれたのか、少し離れた席から見守ってくれているのを感じる。
私はずっと窓の外を眺めていた。
こういう時に窓際の席っていいと、つくづく今日思った。
空を見てるとなんだか心が少しだけど落ち着く。
青い澄み切った空に、小さい雲が浮かんでいる。
その雲がゆっくりと風に乗って流れていく。
私もこんな風に何も考えずに流れていきたいって思ってしまう。
だけど、
“あ・・・”
私の視線はある一点で止まった。
“辻村・・・”
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