◎勇気

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そんな上の空の状態で授業をやり過ごし、やっと帰りのホームルーム。 担任が来るまで、みんなざわざわと雑談している。 私もいつもは里香と話しているけど、今日はそんな気になれなかった。 里香や真山君は私が一人になりたいのを察してくれたのか、少し離れた席から見守ってくれているのを感じる。 私はずっと窓の外を眺めていた。 こういう時に窓際の席っていいと、つくづく今日思った。 空を見てるとなんだか心が少しだけど落ち着く。 青い澄み切った空に、小さい雲が浮かんでいる。 その雲がゆっくりと風に乗って流れていく。 私もこんな風に何も考えずに流れていきたいって思ってしまう。 だけど、 “あ・・・” 私の視線はある一点で止まった。 “辻村・・・”
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