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安心している私にプロデューサーさんがほっとした顔で私に話しかけた。
「よかったですね、お母さん見つかって」
「はい~、でもすみませんでした。時間をとらせてしまって・・・」
「気にしないでください、僕も同じことをしていたと思いますから、それにあずささんのことが少しわかってよかったです」
プロデューサーさんは照れくさそうに笑って私を見ていた。
その顔は仕事中のキリッとした顔ではなく、少し子供のような雰囲気が出ていた。
私は初めて見るプロデューサーさんのかわいい一面におかしくなって少し笑ってしまう。
「どうしたんですかあずささん?」
「あ、いえ~なんでもないです~ふふふ・・・」
今度はキョトンとした顔をして不思議そうにしていた。
デパートを出ると、プロデューサーさんが時計を見てハッとして、
「少し急がないと間に合わなくなってしまうので急ぎましょう」
といってスタジオに向けて二人で少し速歩きで歩き出す。
何とか約束の時間までに着き、無事に全てのスタジオを回り終わった。
外に出るともうすっかり暗くなってしまっている。
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