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真夜中に人気の無いような場所で綺麗な声で歌色白の女がいた。
だが回りの人は聞こえて居ないようだった。
「綺麗な声だな」
歌っている女に近づきながら男は言った。
「…」
女は機嫌が悪そうに帰ろうとした。
「俺は不審者じゃないんだ」
「紫苑どうしたの」
その紫苑と呼ばれた女に友人らしい人がかけよって来た。
「紫苑っていうのか」
男は嬉しそうに聞いた。
「…」
紫苑は人には聞こえないように何かを友人に言った。
「あんた誰紫苑が怖がってるじゃない」
「えっ…俺の名は如月竜二って言うんだ」
竜二名乗った男は少しとまどいながら言った。
「で、紫苑になんの用」
「俺の今人魚姫って言う舞台を作っててそこに出て欲しいんだ」
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