トリックスターの日常

3/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「それじゃあ、Dragonβは、まだと見てもいい?」 「まさか。もう統合テストまで終わったよ。後は、煌がシステムテストと、運用・保守をするだけ」 「仕事、速いわね」 「ありがと」  嬉しそうに微笑む煉。学園の煉崇拝者……がいるかは別として、見たら、とろけそうな笑み。そうでなくても、赤面してしまうだろう。……ではあるが、煌関係でないと見せないと、周りの人から有名である。 その反応に、煌はほんの少しだけ唇を弓形に反らせると、煉の方まで歩み寄り、肩に首をのせて、ディ スプレイを覗き込む。 ちなみに、この教室内のP.C全てが、VUI仕様ではない。一昔前のGUIで、ディスプレイがある。とは言っ ても、処理機能は問題なしなので、全く不満は出てなかったりする。 「今日は、C?」 「うん。JAVAは少し飽きたんだ」 「で? JAVAの次はCで。Cの次は何になるの?」  呆れ気味に煌がたずねれば、少し首を傾げた。 「機械語とか?」 「機械語? 物好きね。0と1しか無いじゃない」 「そういう単純なとこが良いんだ」 「ふぅん。良くわかんないわ。まぁ、プログラムが破綻してなければ、何にも言わないから」  安心して、と言うと肩から首を上げた。  それに少しだけ残念そうにしながら、煉は首をかしげた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加