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そんなある日、不思議な事が起こった。
アパートの前に、1台のトラックが停まっていた。何だろうと思いながら、階段を上がっていると…
「わっ!」
「あっ、すみません!」
2階から降りて来た誰かとぶつかりそうになった。…段ボール箱を持った、金髪の勘違いギタリスト、林である。
「すみません、箱がでかくて前が見えなかったもんで…」
「いや、こっちもよそ見してたから。…それより何、その荷物」
「あぁ、引っ越す事になったんで」
彼は俺が待ち望んでいた言葉をいとも簡単に述べた。あまりに突然の事だったので、その言葉の意味を脳が理解するまでしばらく時間を要した。
そう言われてみれば、むさ苦しい野郎共が林宅から荷物を運び出している。表に停まっていたトラックは、彼の引っ越しの手伝いに来た友人のものらしい。
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