短編

『マーズレポート』

　
私の名はスピリット、火星探査の任務でこの地へと降り立った、火星の大地はレゴリスと言う微細な粒子に覆われており、地球と比べ４割ほどの重力の為、私が踏みしめた大地からスローモーションのようにレゴリスが舞い上がった。

私が最初に驚いたのは火星の空だ、なんと火星の空はピンク色をして居るのだ、いや、話しには聞いて居たが実際に見ると驚かされるものだ、雲の無い空は鮮やかなピンクをたたえまるで異世界に来たようだ。

私が調査を進めるとコロンビア・ヒルズと呼ばれる場所で針鉄鉱を見つけた、仲間達もそれを喜んだ、何故ならこの針鉄鉱は水の有る場所にしか存在しないからだ、これは私の功績で大変誇らしい事だ。

火星にも春が訪れる、火星の春は地球以上に猛々しい、場所によっては時速４００メートル以上の竜巻が起こるのだ、さすがに勇敢な私でもそのような物に巻き込まれたくは無いので慎重にルートを決めた。

火星にも夜は来る、私は大気が薄く雲が無い為に降るような星空の元で眠りに付く、明日の調査の為に、私の名はスピリット。