馬鹿兄貴と俺と可哀想な女

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リビングもひどい荒れ様。 コタツの上や床に散らばる、酒の缶と瓶とつまみのカス。 兄貴はコタツに突っ伏して寝ていた。 その中で、小柄な女の子がソファーの上で酔いつぶれていた。 「……… あの、大丈夫ですか」 「…ぅう… うえっ…」 大丈夫ではなさそうなので、住所をとりあえず聞き、タクシーを呼んで帰っていただいた。 「……うわ…」 冷静になって見渡すと… すごい。 とりあえず無駄だと思うが、馬鹿兄貴を起こしてみた。 「…おい」 「んー…??」 寝起きの悪い兄貴が… 起きた… 「あぁ、竜彦ぉ」 兄貴は満面の笑みを浮かべた。 ほいでニヘニヘ笑ってやがる。 「うわオマエ酒臭… おい一応片付けるぞ」 「いーやーだー!まだ飲むー!」 片っ端からゴミ袋に詰め込もうとすると、俺から酒を奪い、飲み干した。 「んくっんくっ… ぶはあっ」 「息かけんじゃねえよ、くっさ!!酒臭ーー!!」 兄貴は缶をその辺にぶん投げて、フラフラとこちらに数歩、歩いてきた。 「竜彦ぉ…」 兄貴はまたニヘニヘ笑いながら、俺の顔を触ってきた。 「気色悪っ 触んじゃねえよ 馬鹿兄貴💢」 「んふふふー♪」 憎まれ口を叩いてるのに、兄貴は尚、上機嫌だ。 .
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