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ふと、頭に手が被さる。
「兵士さん?」
「今日で最後じゃないんだし、そんな悲しい顔するな」
「う…うん」
不覚にも一瞬ドキッとした。
顔が近かったからだろうか。それとも他人に頭を触れられたからだろうか。
「ちゃんと登れるかクリスティア。登れないなら手伝うぜ」
「ううん、もう大丈夫」
私は部屋からすぐ近い木に足をかけ、よじ登ると慣れたように上へ上へ登っていった。
「おー木登り出来るお姫様なんてレアだぞ。もしかしたらお猿さんより早いんじゃないか」
「お猿さんって、酷いわ兵士さん」
「ははは、わりぃわりぃ。お姫様にそれは失礼でしたね」
「むぅ…でも許します」
「あっはは、優しいな!じゃあこれも許してくれるか?」
「これ?」
「そ。さっきからどうしても視線がいってしまう。今日のクリスティアのパンツは白なんだな」
「えっ、え!?」
テュールの視線は下に。私もつられて下を向いた。その瞬間私は声を失う。
スカートが長くても、木登りすれば下の人間に見えてしまう。
よりにもよって男性に、知ってる男性に下着をみられるとは。
「い、今まで何で黙ってたの!?」
「いや~、やっぱ男だから欲望に勝てなくて…」
「ばか~!変態っ」
「あ…はは、やっぱこれは許してくれないよな」
「当たり前です!」
恥ずかしい。
思わず木に顔を近づける。まともにテュールの顔が見れない。
下着を見られた…
きっと子供っぽいって思われたかも。
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