思い出の薔薇園

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城の外に出たい。 姫としてでなく普通の周りにいる人間として色々と買い物がしたい。 最近そんな欲が少なからず起こるようになる。 今はどうなったのかもわからない薔薇園。 すぐ近くにあるのに見る事も出来ない。 「欲なんてもっちゃいけない。外に出られた事でも感謝なのに…」 だけど欲は日に日に膨れ上がる。 今日は遅い… いつものように窓の側にある木をつたって下へおりたのにテュールがいない。 やはり兵士だからか訓練で忙しいのだろうか。 クリスティアは小さく溜め息を吐く。 一人で外にいてもつまらない。やはり隣に誰かがいなきゃ… そんな事を思っていた時。 「待たせて悪かったな」 「え?きゃっ!」 背後から突然声を掛けられ、クリスティアは悲鳴を上げる。 「おいおい大丈夫か?」 「びっ、びっくりさせないでよ兵士さん」 「いや勝手にクリスティアが驚いただけだろう?てかまだ名前…いや、なんでもない」 「それより訓練で遅くなったの兵士さん?」 「ん?あ、あぁ…今日もさぼろうかと思ったら捕まっちまってな。まったく嫌になるぜ」 そういいながらも本気で嫌がっていないという事は訓練は嫌いじゃないんだなとクリスティアは一人思った。
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