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「No.6、藍沢様が面会に来て下さったぞ」
「…分かりました」
面会
ここでは唯一の楽しみと言えよう
先程も真は興味無さそうに、一言返事しかしていないが、内心は嬉しさで溢れかえっている
しかし、それは週に一回、多くて二回
時間は十分程
本当に些細な時間と言えよう
それでも、自分に会いに来てくれる人が居ることは、嬉しい限りである
監視員が鉄製のドアの前で真が来るのを待ちわびていた
無言でドアを開き、中へ入れば、ガラス越しにだが、自分と唯一の繋がりを持つ者が待っていた
「…真、元気にしてたか?」
藍沢 義郎(あいざわ ぎろう)
捨てられた真を引き取り、親代わりとして育ててきた男
そして、真をこの場所に連れてきた張本人でもある
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