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自分の身を案じてくれた父
自分が居なくなった後の心配をしてくれた父
正直、この施設に居続けるのは常人じゃあ無理な話だ
しかし、真がここに居続けられるのは、正しく義郎のお陰だろう
二人は、監視員が見守る中、二人だけの空間の様に話し合った
時間は刻々と迫る
「No.6、面会は終わりだ」
監視員の無情な一言に、我に帰り、義郎に向け悲しみの瞳を向ける
「…真…次は4日後に来るからの?
頑張るんじゃぞ?」
義郎はその瞳に気が付いていながらも、真に言い放つ
それは、真の為に…
「うん…父さん、またね?」
監視員に先導されながら、真は面会室の重いドアを開き、廊下へと出ていった
真が居なくなった途端に、義郎は呟く
「…真…」
そう一言だけ…
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