かたつむり

手紙の続きが気になる。
『先輩に頼まれていたアマゾンのカタツムリです。危険な菌は持っていません。帰国したら見に行きます。可愛がってください』
大学時代の後輩からだった。
「あいつ、あんな約束を覚えていたのか」
昭彦は大学時代、確かにこの後輩に「アマゾンのカタツムリが欲しい」と言い「なら僕がアマゾンから届けます」という約束をしていた。
しかし、その約束からとうに十年は経っている。
義理堅い後輩を持った幸せに再び昭彦は真実、自分は幸運に恵まれていると神ともなく感謝した。