蘇る忌まわしい記憶…

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「はぁ…はぁ」 「大丈夫ですか?引き返してまた明日きますか?」 「だ…大丈夫です」 大丈夫よ…どんな彼でも私が信じてあげなきゃ彼は独りぼっち。私には赤ちゃんだっているんだ…大丈夫…… 私のこの気持ちは“偽り”じゃない! 何かがはじけたような気がした。 空白だった記憶がクリアになる。 「………」 私は…何かに自信を持っていた… 目の前には何もない。 だけどまだ消えない腐臭が鼻につき、その臭いを嗅いだ途端に思い出した。 「あ…ぁ」 そうだ…私…あいつに誘拐されて…殺されそうになって…何回も何回も犯されて……殴られて…それで××が×××で×××××××××××!! 「いやあぁああああああああああああああああああああああぁあああああああああああああーーー!?」 断末魔のような叫びが地下に響く。 「あぁあ…わた…わたし…」 その時お腹に目が行く。 「あ…あぁああいつの……あの男の…あいつのが…わた…しの」 「お…落ち着いて下さい」 刑事はまさかそこまで取り乱すとは思わず私を落ち着かせようとする。しかし落ち着く筈などなかった。 「気持ち悪い…殺したい…殺して!なんで……なんでこんな所連れてったの!忘れてた方が幸せだったのにぃい!」 刑事、医者、母に向かって怒鳴り、睨む。 あの男も憎いがこいつらも憎い… 一人になりたい! 「うぅ…」 涙があふれる。 私は好きじゃなかった。愛していなかった。 その魔法が解けた私はただただ絶望するしかなかった。 今すぐお腹のあいつとの子を下ろしたい。しかし子に罪はない。 でもあいつとの子。 複雑だった。 私は何も答えを出せぬまま目を赤く腫れるまで泣き続けたのだった……
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