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「今日も来ないな」
お腹に赤ん坊がいるといったあの日から彼女は忽然と面会に会いにくる事はなかった。
きっと忙しい日が続いているのかもしれないと甘い事を考えながら、もしかしたら裏切ったのではないかと疑いたくなった。
あれは俺を信じてくれた……なのに今度は俺が信じないでどうする。
裏切りという言葉に俺は頭を振る。
「明日には来てくれる筈だ」
そう信じる自分が愚かしい。
そしてやはり来る事もなく……俺はそのまま一年たった後に仮釈放された…
一年で仮釈放は早いのかわからないが、こんな人殺しに仮でも釈放を許されたのは、この一年真面目にすごし、罪を悔いていたことが神様に通じたのかもしれない……と、馬鹿なことをおもった。
あとは裁判で過去の事を話したのが良かったのか幾分か刑が軽くもなった。
しかしそれでも自分がした事の罪は重い。
沢山の憎悪と沢山の同情をかい、俺は仮釈放された。
ちゃんと釈放されるのは三年後。己でも驚いた短さだった。しかし釈放されたらもう都会にはもうすめない。
どこかのんびりしたドがつくくらいの田舎に住みたい…
頭に浮かぶのは俺を愛し、信じてくれた女。
そういえば、あれから何故きてくれなかったのか……
本当に裏切られたのか。
いや…もしかしたら事故にあって…何かの事件に巻き込まれたのかもしれない。
まだわからないから憎む事などできない。
彼女が無事でいてくれたらと願う。そして何故今まで会いにきてくれなかったのか問いただしたい。
「お願いだ…俺を…お前を…憎ませないでくれ」
ようやく信じられると思った女性だから…
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