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「好きだ、と言ったら?」
「んー、君のことだからね。冗談にしか聞こえないよ」
「そうか…」
彼の想いが真実だとして、男にはそれに応えるすべはない。
悪に囚われた主に、心を見失った忠臣。
忠臣というのもおかしいかもしれない。
「ねぇ、アクゥー」
ウィズシーの手がアクゥーの頬を撫でる。
「なんで、泣いてるの?」
その笑みは、引き込まれるように妖艶なものだった。
「君は、ぼくより先に心を取り戻すつもりかい」
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