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彼は、僕の髪を撫でるのが好きだった。
「…見事にバッサリいったな」
今も、切れてしまった髪を本当に慈しむように撫でてくれる。
「また伸びるでしょ」
僕はそういってその手を払おうとするけど、彼はキュッとそれを握りしめた。
「伸びたら…また制御装置を付けるんだぞ」
「わかってるよ」
めんどくさい事に、僕は時たま自分の魔力を制御できずに暴走してしまう事がある…らしい(その時の事は大半覚えてないけど)。
それを抑えるために彼が選んでくれた手段は、僕の髪を縛る紐をその制御にあてる事だった。
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