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その日から俺と大原はつるみだし、今日に至る。
大原のおかげでクラスに溶け込めるようにもなった。
「早いな。 もう高二か。」
なんの気なしにつぶやくと、大原も、そうだな。 と同意した。
体育館につくと、すでにほとんどの人は体育館に来ており、一年生の入場を待っている。
俺と大原は自分のクラスが並んでいる列の一番後ろに腰を下ろした。
『それでは、一年生の入場です。』
生徒会の下手くそなアナウンスと共に、二、三年生の拍手が始まる。
ガラガラと扉が開き、一年生が緊張した表情で入ってきた。 (もちろんそうでない奴もいる。)
しかしその中で一人俺の目に留まった奴がいた。
背中の真ん中より少し上まで伸び、所々寝癖がついた黒い髪に、異常なまでに眠そうで、しかしそんな表情でもわかる整った顔だち。
かなり離れた位置にも関わらず、それだけのことがわかってしまった。
そいつは "私今にも倒れそうですオーラ" を出しながら、決められた場所に腰を下ろした。
俺は拍手をするのも忘れていたらしく、
「飛鳥? どうかしたのか………?」
大原に不審な目で見られた。
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