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序 始まりの世界
追いかけて…
追いかけて…
追いかけて…
追いかけて…
いつからか、どうして貴方を追いかけるのか、解らなくなっちゃった。
貴方は優しい。
みんなも優しい。
そのすべてが偽物…造り物だったとしてもね、私はそれでよかったよ。
だって、楽しかったから。嬉しかったから。
私、幸せだったよ…
貴方を追いかけて。
私、幸せだったよ…
みんなが愛してくれたから。
私も、みんなと同じ造り物の感情…心だったのかもしれない。
だけど、やっぱりみんなのことが大好きだったよ。
貴方も、みんなも…
私のためにたくさんのことをしてくれた。
私のためにたくさんのものを残そうとしてくれた。
だから貴方の時計が、私とみんなを解放してくれる…
そうでしょう?
今、貴方とみんながいなくなったこの世界に残っているのは、私と帽子屋さんだけ…
帽子屋さん、泣いてるんだ。
心が痛くて痛くて。
私のせいなんだろうね…
帽子屋さんの心が痛いのも、みんなが消えてしまったことも…
だから…
ごめんね…
みんな…
大好きだったよ…
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