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アイツにフラれた。
もう、アイツはオレの部屋には戻ってこない。
もうダメだ。何もかもオシマイだ。
居酒屋で1人しこたま飲んで、フラフラになってアパートに帰ってきて、ベッドに倒れ込んだ。
そして、そのまま意識をなくした。
…トイレに行きたい。
暗がりの中で起き上がり、フラフラとトイレへ歩いていった。
ドアを開けると顔が金色に輝く、金色のスーツを身にまとった人が立っていた。
金星人だとオレの直感が判断した。
驚くべき場面なのだろうが、オシッコをしたくて、それどころじゃない。
「出ちゃう」
オレは金星人を押しのけて、便器の前に立とうとした。
しかし、なんとしたことか。
オレの体は金星人の中でクルリと回って、元の位置に戻ってしまっていた。
もう1回やってみたが、同じこと。
「出ちゃう。出ちゃうぅぅぅ」
もはや、我慢の限界。
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