プロローグ

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魔王―… それは魔界を統べる王の存在。 あらゆる力を自在に操りあらゆる物を一瞬にして滅ぼす…。 そして…。 後には何も残さない。それが魔界の王―…だった。 魔界大戦と呼ばれる裏の歴史で魔王の地位と力は大きく転落していく。 力の落ちた魔王は討滅されるのを恐れ魔界から逃げ出した。 それが、人間と異界が繋がれた瞬間― そして…、 一人の少年の運命を変える力になる― ………上海……… 賑やかな繁華街を一人の人間が歩いていた。背丈はそう高くはない。せいぜい153あるかないかだ。 顔は少女のような顔立ちで髪も腰の辺りまで綺麗に伸ばしてありそれをみつあみで一つにしばっていた。 「アレ?お嬢ちゃん一人?」 いかにも感じの悪い男がその人間に目をつける。 「おじちゃんと良いところに行かないかい?」 にたぁっと不気味な笑みを浮かべながら男は言った。
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