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「あ…」
男は恐怖から言葉が出ない。
「おっさんがした罪は人間売買か…あんま良い死に方出来ないぜ?」
男にとって訳の分からない事を少年は口にした。
「な…何を…言っているんだ?」
男は完全にあせっていた。さっきまでの笑みなど微塵もない。
「分かるだろ?おっさんは罪を犯した…だから罰せられる…それだけだ」
「…君を売ろうとした事か?!すまん、謝るから!!!許してくれ」
直感で殺されると確信した男はプライドなど捨てて土下座して謝ってきた。
「…違うって…」
呆れたように少年は呟く。
「俺じゃねーよ」
少年は有りもしない所から“剣”を具現化させた。
「ひぃ!!!」
「じゃあ死ね」
少年はひどく残酷な目で男を見ている。
「た…頼む、許してくれ~」
「法律だからな…許すわけにはいかねーよ」
少年はそう言って男の心臓に剣を突き刺した。一瞬の出来事。
男は塵となってその場から消えた。
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