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(死んで……良かっただって?ふざけんな――死んで良かったのはお前の方だ)
声にならない、怒りが一馬の心の内で揺れる。
ガシャーン!
部室のドアとガラスがいきなり壊れた――
先ほどまで話で盛り上がっていた少年たちは青ざめてガラスの割れた方を見る。
そこには、ガラスの破片で血に汚れた一馬が立っていた。
「た……高橋……
もしかして、今の聞いて……」
三浦の顔は恐怖で固まっている。歪な空気をこの時の彼は感じていたからかもしれない。
一馬は恐怖に満ちた三浦を見ても何も感じなかった――
ただ、“憎い”としか――
“お前の中の憎悪――確かに貰い受けた。
お前は力を欲っするか?”
心の中に声が響く――それが何かはわからなかった。
ただ、一馬は目の前のヤツに消えて欲しかっただけ……
「うぉぉおおお!」
一時の感情はすさまじい“憎悪”となりて、形を顕す。
黒い闇は“三浦”の形、存在――全てのものを奪い去っていった。
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