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「…………俺は……」
記憶が蘇った一馬はしばらく呆然としていた。あの時から一馬の“力”は使えるようになっていたのだ――多分……
「…一馬、どうした?お前少し変だぞ。いつも変だけど」
心配した様子で翔は一馬を覗き込む。
「……なぁ……翔、お前は“三浦”って知っているか?」
「…………三浦?」
訳がわからないと言った感じで翔は聞き返す。
「俺が、殺したヤツだ!」
少し言葉が殺気だっていたのか、翔は一馬の声にびくっと身体を震わせた。
「な……なんだよ?急に……お前が人殺しなんてする訳ねーじゃん……そういえばあの時も“三浦”がどうとか言ってたな」
びくびくしながらも翔は返す。この様子だとやっぱり記憶にはないようだ。
「……2年前のあの日……俺が泣いたっていったな――」
一馬はお陰で冷静さを取り戻し、落ち着いた様子で聞く。
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