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「その犯罪大国で“邪念”を浄化しろってことね♪」
「……キミは物分かりが良くて助かるな」
老師は本当に感心をこめたように言って頷いた。
「さて、本題はここからだ」
「……やっぱ……
まだあるんだな」
面倒臭そうな顔をして少年は肩をすくめる。
「キミ程の男を頼るのに、“邪念”の浄化だけで済む訳が無いだろう?」
「ま、それで終わってたら俺が地獄の業火で焼き殺してやってたところさ」
「……少し黙ってろ。緋炎」
老師のお世辞攻撃にも大した反応を少年は見せない。緋炎の言葉を短く制したあと、少年は老師の次の言葉を待つ。
「……“魔王”サタン――……の討滅だ」
「……“魔王”?」
聞きなれない言葉に、少年は思わず老師に聞き返した。老師はゆっくりと確認を取るように次の言葉へ繋ぐ。
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