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だけど同時に“力”が消えていない事も感じていた。
「……一兄、信じられない。昨日風呂入ってないでしょ?」
眠い目を擦りながら紗喜の隣に座った瞬間、睨み付けられながらいきなりそう突っ込まれた。
「……昨日帰って来たの何時だと思ってんだ?
3時だぞ、3時」
朝帰りは威張れることではないが一馬は偉そうに言う。
「……ホゥ?何で3時に帰ったか聞かせて欲しいものね」
「それでも入るのが常識でしょ?
――もう最悪」
千恵と紗喜が次々と文句を並べてくるので一馬はさっさとトーストを片手に持ち、制服に着替え始める。
「…………行くから」
結構早かったが一馬は返事を待たずにさっさと家を出る。
「逃げたな」
「……逃げたね」
千恵と紗喜はこういう時だけの一馬の行動の早さに呆れていた。
「……うぜー……女ってうぜー」
トーストを食べながら登校とか漫画の1ページのような光景を作りながら一馬は呟いていた。
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